ツボカビに両生類が大きな被害を受けたときに、私たちは気づくべきだった。
微生物と生物の依存関係ががらりと変わりつつあることに。
新型コロナ・パンデミックは始まりに過ぎない。21世紀は感染症の世紀だ。次は
菌との戦いである。そして頼りの抗生物質は、耐性菌の登場とともに終わる。
なす術はないのか。いや、あると私は考えている。植物のチカラの利用である。

[前編]知っておくべき新型コロナウイルス感染症のリアル
[中編]知っておくべきウイルスとの戦い方
[後編]微生物との戦争――ヒトと動物、環境と微生物の葛藤


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付記:GSEのエビデンス

本記事に関係の深いGSEに対する研究と、GSEに含まれる脂肪酸フラボノイド(ナリンゲニン、クェルセチン、ケンフェロール、ヘスペリジン、アピゲニンの5種)のそれぞれについての研究を紹介する。

GSEの除菌能力

ナリンゲニン関連

ケルセチン関連

ケンフェロール(ケンペロール)関連

ヘスペリジン関連

アピゲニン関連

以上、主として新型コロナウイルスと新型コロナウイルス感染症をテーマにした研究をまとめた。ただし最後の論文は、アデノウイルスとB型肝炎ウイルスをアピゲニンが抑制したという内容である。

最後に研究論文ではないが、すぐれた記事があったので紹介しておきたい。GSEについても言及している。

12 Strongest Natural Antibiotics, Backed By Science
https://superfoodly.com/strongest-natural-antibiotics/

ここまで紹介してきたように、GSEとその成分については多くの研究が出ているが、ほとんどはin vitroの段階のものであり、現時点でたとえば「GSEを飲むとCandida aurisに効く」などとは到底言えるものではないことに注意してもらいたい。上の記事の序文にある通りだ(この記事は序文を読むだけでも価値がある)。

しかし、GSEは漢方的で、可能性を感じる。もはや抗生物質の開発も限界かも、とWHOが警告をしている状態だからこそ、こうした植物のチカラを活用することも視野にいれるべき段階だろう。GSE以外にも、使えるものがあるかもしれない。


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