人食いバクテリアから子どもを守る方法

この記事が役立つと思われる人

  • 子どもの頻繁な発熱に困っている人
  • 自分も感染したくない人
  • 人食いバクテリアを詳しく知りたい人

2024年3月27日
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックはおさまるどころか、その余波によって「感染蔓延社会」をもたらしている(「パンデミック 2.0が始まった」参照)。新型コロナに感染すると免疫がダメージを受け、他のウイルス・菌に弱くなってしまうためだ。

最大の被害者は子どもたちである。新型コロナウイルスはpDC(形質細胞様樹状細胞)にダメージを与え、インターフェロン産生を阻害する*1。適応免疫ではなく、自然免疫(innate immunity)で病気に対抗する子どもたちに影響が大きい。インターフェロンはウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをするタンパク質である。そして事実、2023年冬に観察されたこの飛び抜けたグラフのほとんどが子どもたちだ。

咽頭結膜熱の10年間の流行状況(東京都)。2023年に突出

次から次へと感染症のリスク

「子どもは感染して強くなる」という表現は、熱やけいれんにオロオロし、後悔ばかりする親に対して、なぐさめの言葉として発せられたものだろう。戦場で重傷を負った仲間に「傷はたいしたことない」と言うようなものだ(これはこれで大事である)。

それがいつの間にか、病気になることを奨励する呪いに変化して日本社会に蔓延している。「情けは人のためならず」を「人のためにならない」と理解するくらいのトンデモだ。感染してプラスになる病気など、なにひとつない。風邪でもインフルエンザでも、何度感染しても「強くなる」ことはないし、麻疹などもワクチンで免疫をつけるほうがはるかに安全である。

そして、新型コロナについて言えば、現実に起きていることは正反対だ。感染によるpDCへのダメージは、強い子を弱い子にしてしまうからである。むしろ「感染するたびに子どもは弱くなる」のである。

したがって、子どもたちを守るには、まずは新型コロナウイルス感染症にかからないようにすることが大事だ。なかでも、短期間に複数回の感染をすることは避けたい。初回感染で疲れ切った免疫が復活する前に、ウイルスが再び襲う形になる。間違いなく回復が遅くなるだろうし、後遺症(Long COVID)になる確率も高くなってしまう。文科省と教育委員会、それぞれの学校や園が「複数回感染のリスク」を認識し、対応することを期待したい。

深刻な状態におかれている日本の子どもたち

さて、この記事では新型コロナ対策というよりは、すでに感染し、自然免疫が弱っている子どもたちのことを考えたい。マスコミはほとんど報じないが、じつは日本の子どもたちは、深刻な状態におかれているからだ。

いつでもさっと医療を受けることができ、必要な薬が処方され、すみやかに回復するなら、「子どもはよく熱をだすもの」で済ませることもできるかもしれない(「もう有給が残っていない」という悩みは残るが)。

しかし、冒頭のグラフを見れば明らかだろう。想定外の感染症の爆発である。しかも連続している。当然、次に起きることは病院の混雑であり、医薬品の不足だ。2022年からその傾向はあったが、はっきり2023年から咳止めも解熱剤も不足しており、いまなお状況が好転していない。なにより困るのは、抗生物質の不足である。これは溶連菌(溶血性レンサ球菌)感染症や細菌性胃腸炎など、菌感染症も爆発したからだ。

この状態で、流行してしまうと困る病気がある。抗生物質が特効薬で、これが処方できないと深刻な結果となりやすい菌感染症だ。代表例が劇症型溶血性レンサ球菌感染症(iGASとかSTSSなどと略される。以後STSSを使う*2)である。

そして、2024年の日本はSTSSが急拡大しはじめている。「謎の感染爆発」と海外でニュースになるほどだ*3。2024年3月26日に予定されていた北朝鮮でのサッカーワールドカップ予選も、これを理由に北朝鮮から中止の申し入れがあったことが話題になった。

いまSTSSにかかるのは最悪

「増えている」といっても、2023年が過去最多で941人。今年はその3倍のスピードで患者が出ているという経過なので、数字だけをみると危機感をもつ必要はないかもしれない。

しかし、この病気は本当に悲惨だ。致死率が高すぎる(現時点で50歳未満の致死率が30%)し、「人食いバクテリア」とも言われるほど進行が早い。朝、なんかヘンと思ったら、夜にはもう意識がない。感染部位で菌が増殖し、細胞が壊死していくだけでなく、全身の免疫が異常反応をして死に至る。そのため外科的に感染部位をすみやかに切除することで救命する。特効薬は抗生物質である。

この病気が増えているのに、現在の日本は救急車が逼迫しており搬送に時間がかかる上、病院も混み合っていて、抗生物質が不足している。治療が遅れ薬もないなら、さらに致死率は高くなるだろう。

子どもの致死率は低いと言われているが、2022年にイギリスで70名以上の子どもがSTSSで死亡している。そして、切除部位によってはその後の人生で苦労が続く。この記事に出ている感染例がリアルなので紹介しておこう。


――ある患者、54歳男性は、まず右手の親指の腫れがあって、数時間で手全体に広がり、激しい痛みがあったので病院へ行った、医師に「腕を切断するかもと言われて、この痛みから解放されるのであればもう何でもいいと思った」と。壊死した部分の切除など、7回の手術をして、今は日常生活ができるまでに回復したということです。
――別の50代男性は足の親指に2ミリほどの血豆のようなものができて、1週間ほど後に、右足がくるぶしあたりまで腐ったようになっていた。体調は1時間単位で悪化して、右足を付け根付近から切断されたそうです。
cf.
「【致死率30%】『人食いバクテリア』去年患者941人…今年も過去最悪ペース「朝に何かおかしいな…と思ったら夜には意識無くなる」予防は?治療は?専門家が解説」
https://www.mbs.jp/news/feature/specialist/article/2024/03/099370.shtml


どこにでもいる菌で発症する厄介さ

狂犬病は怖い病気だが、感染した動物に遭遇して咬まれたりしなければうつらない。インフルエンザも新型コロナも麻疹も、感染したヒトとの接点がなければうつらない。致死率の高い感染を起こすCandida aurisも怖いが、現時点でこの真菌に遭遇することはまずない*4

溶連菌は違う。どこにでもいる。皮膚にもいたりする。怖さのレベルが違う。「危ない場所に近づいちゃだめよ」が通用しない。ただ一つ言えることは、溶連菌感染症を防ぐ努力+傷口の適切な処理がSTSSのリスクも下げるだろうということである。

まず、大人も子どもも、手指衛生をおろそかにしすぎだ。流行中の感染症のほとんどは、手をきれいにするだけで感染リスクを下げることができる。「新型コロナは空気感染だ」という「空気」が感染してしまい、いっきに手洗いが軽視されるようになってしまったのは実に残念なことだった(企業の総務が「最近めっきりトイレの石鹸が減らなくなった」と言っている)。

溶連菌はどこにでもいる菌だが、それでも手指衛生を徹底すれば、感染リスクを下げられる。周囲に感染者がいたなら、なおさらだ(その飛沫は溶連菌のカタマリのはずだ)。しかも、手指衛生の徹底でアデノウイルスやRSウイルス、ノロウイルスなど、いま流行中の他の感染症のリスクも下がる。

マスクとGSEが有効

「溶連菌感染症」(猩紅熱などもこのひとつ)で検索すると、接触感染と飛沫感染だと書かれているが、2022年に出た研究で空気感染することも確認されている*5。やはり、マスクと空気清浄機が有効だということだ(本当に学校は方針を変更するべきだと思う)。

子どもが溶連菌感染症に苦しむことも避けたいが、STSSになることは絶対に避けたい。もうひとつ悪夢のシナリオがある。感染した子どもから親がもらい、まさかのSTSSになることだ。そのリスクを下げるには、マスクとGSE(Grapefruit Seed Extract)の併用が有効だと考えられる。

新型コロナウイルスに比べると、溶連菌は対処しやすい。子どもが発熱してからの対応でいい。換気をし、親はしっかり手指衛生をやる。感染した子どもと接するときはどちらかがマスクをしよう。

溶連菌を多く含む飛沫が部屋中に飛びちっているはずだから、GSEで清掃をするのも効果的だ。手を触れる場所と洗面所、それに床を入念にやっておこう。ウイルスと異なり、菌はモノの表面でひとりでに失活したりしないから、清掃は大事だ。ついでにトイレもGSEで処理をすれば、他の感染症(新型コロナウイルスやノロウイルスなど)の感染リスクも下がる。

常に携行して頻繁に使うのが理想

手指衛生で最も効果があるのは、石鹸による二度洗いだ。丁寧に二度繰り返すと、効果が高い。しかし、これを頻繁にするのは大人でも難しい。まして子どもには無理。「休憩時間に必ず手洗いしなさい」だって、まず実行はできない。

だからGSEを商品化したという経緯である*6。子どもも頻繁に手指にスプレーできる。匂いもなく、手荒れもしないからストレスがない。できれば、写真のようなキーチェーンつきの携帯スプレーボトルでもたせてあげてほしい。マスクとGSEの併用で、多くの感染リスクを下げることができる。

国もマスコミも「もうコロナは終わった」という雰囲気をかもしだしているが、新型コロナ感染は決しておさまっていないし、感染した子どもたちは次々と別の感染症で苦しんでいる。

そして薬が足りていない。マスクとGSEで菌感染症を防ぐことは社会的にも重要だ。抗生物質の需要を減らさないと、STSSなのに抗生物質がない、という最悪の状況となる可能性が高いからである。苦しむ子どもの姿は誰もが見たくないだろう。いまはまだ予防(Precaution)が必須の時期である。

注記

*1 この研究によると、新型コロナウイルス感染の7か月後も、CD1c+骨髄性DCとpDCの数は減少したままであり、これは入院歴の有無に関係がなかった。新型コロナウイルスは自然免疫(innate immunity)にダメージを与え、インターフェロン産生を阻害し、それは約半年も続く。
cf.
Dendritic cell deficiencies persist seven months after SARS-CoV-2 infection
https://www.nature.com/articles/s41423-021-00728-2

*2 GASがgroup A Streptococcus(A群溶血性レンサ球菌)の略で、GASによる感染症のうち、STSS=Streptococcal Toxic Shock Syndrome(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)をおこすものがあるという関係。なお、iGASはinvasive group A streptococcalの略で、STSSは症状からの呼称、iGASは病原体からの呼称という感じだ。iGASとSTSSは同じ病気であるが、iGASがSTSSの真部分集合という関係にある。つまり、GAS以外の菌によるSTSSもあり得る。

*3 このようにミステリーとして報道されているが、STSSの増加は2022年にEU諸国で報告されている。「あの日本でも」ということだと思う。
Mystery in Japan as dangerous streptococcal infections soar to record levels
https://www.theguardian.com/world/2024/mar/15/japan-streptococcal-infections-rise-details

EUでのSTSSの増加は、こちらの報告が詳しい。
Current scenario of recently rising up cases of invasive group A streptococcal (iGAS) infections in younger children in many European nations: clinical management and prospective counteracting measures – an update
https://journals.lww.com/international-journal-of-surgery/fulltext/2023/03000/current_scenario_of_recently_rising_up_cases_of.72.aspx

*4 アメリカではCandida auris感染が増えているという報告もある(プレプリント)。
Detection of Candida auris in wastewater solids in 190 wastewater treatment plants in the United States suggests widespread occurrence in communities
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2024.03.25.24304865v1

*5学校における猩紅熱のアウトブレイクを調査したこの研究による。溶連菌はどこにでもいる菌だが、感染者の飛沫・エアロゾルは密度が違う。
Frequency of transmission, asymptomatic shedding, and airborne spread of Streptococcus pyogenes in schoolchildren exposed to scarlet fever: a prospective, longitudinal, multicohort, molecular epidemiological, contact-tracing study in England, UK
https://www.thelancet.com/journals/lanmic/article/PIIS2666-5247(21)00332-3/fulltext

*6 ウイルス・菌への対抗手段として最適なのは無臭で安全性の高いGSEであると考え、2021年1月にGSE水溶液であるBNUHC-18を発売している。GSEの大きな問題はコストだったので(3,000円/300mLが相場だった)、割り切って5L/20Lのバルク販売とすることで、アルコールに近い価格まで下げた。好みのスプレーボトルをユーザーに用意してもらうやり方である。
GSE水溶液は多数あるが、BNUHC-18は世界に例のない特徴をもつココチGSEを使用した。通常、GSEはグリセリンを界面活性剤として添加して水溶液化するが、ココチGSEは製法の工夫により添加物ゼロでの水溶液化を果たしている。内容成分は高純度精製水とGSEのみ。純植物性のエッセンスである。購入は直販サイトから。
https://bnuhc.shop/