間違いだらけの感染予防策

その感染予防策で、本当に大丈夫?

大丈夫ではありませんよね。だって感染が爆発していますから。みんなが効果的な感染予防策をとっているなら、こうはなっていないはずなのです。どこか間違っているのではないか、と見直すことが必要でしょう。

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「ウイルスに襲われている」という実感を

新型コロナウイルス感染症のイヤなところは、発症前の人が大量のウイルスを吐出することです。ここがインフルエンザと違う。咳やクシャミ・鼻水に発熱でメロメロになっている人を避ければ、インフルエンザにかかることはまずありません。ウイルスを浴びないからです。

COVID-19の場合、ウイルスを出すのは、健康そうな人です。発症の2日前にいちばんウイルスを吐出する、と言われています。これが本当に困る。隣にいる、なんの問題もなさそうな、顔色もいい同僚が、大量に新型コロナウイルスを吐出しているかもしれないのです。表現はあまりよくないですが、市民にまぎれたテロリストが多数、ということなのですよ。この状態で抗原検査をしても陰性!だそうです。

この前、オフィスのそんなに広くもないエレベータに、鼻だしウレタンマスクの男女がのってきたんです。イヤな予感がしました。そして的中。エレベータの中で、二人はなんと、会話を始めたわけです。「やめれ~~」「だまれ~~」と叫びたくなりましたよ。マジ。思わず息をとめて目をとじました。

知ってます? 感染者がクシャミをしようものなら、数百万個のウイルスが飛び出てくるんですよ。数百万個ですよ。数個じゃないんです。数十個でもないんです。数百万個です。話すのも同じです。ウイルスが大量に出てくる。

狭いエレベータでは逃げ場がない。マスクをしていても、目から感染してしまう。目の粘膜からウイルスが侵入し、鼻腔を通じて肺までたどりつきます。だから医師たちはフェイスシールドやゴーグルで目を守っているのです。

ともかくいまは狭い空間の中では、話さないことです。それがマナー。

いまどきウレタンマスクかよ

デルタ株が上陸してからは、「せめて不織布マスク」が常識になっています。ウレタンマスクでは、ウイルスが出て行くことも、入ってくることも防げないからです。試験結果では、ウレタンマスクの効果は50%。つまりこれって、200万個のウイルスのうち、100万個はダダ漏れしてくる、という話。こんなの気休めでしょ。たぶん似ているのは、タバコの煙を顔に向かって吐かれた状況です。そういう皮膚感覚をもつことが大事です。

そうはいっても、マスクはマスク。テレビやYouTubeでタレントがやっているマウスシールドよりはマシ。あんなものでなにか効果があると思うなんて、想像力の貧困以外のなにものでもありません。数百万個のウイルスを、あんな口元の小さなプラスチックで、どうやって止めるというのでしょう。喫煙者にマウスシールドしてもらえば、煙が気にならなくなります?

ともかく不織布マスクをしてください。オシャレしたいなら、不織布マスクの上から、お気に入りのウレタンマスクをするのがいいでしょう。

理化学研究所によると、不織布マスクを密着させるのがベスト
https://www.r-ccs.riken.jp/highlights/pickup2/

次亜塩素酸水は「ボール球に手を出す四番打者」

最初に断っておきますが、正しく使うなら次亜塩素酸水は効果があります。新型コロナウイルスを抑制する能力があることは確実です。でも、なんと言えばいいのか、試験管の中(in vitro)で能力を確認しても、フィールドには通用しないことが多いのですよね。次亜塩素酸水も同じです。

次亜塩素酸水はボール球に手を出す四番打者です。ストライクしか来ない練習ではホームランを連発する(試験管の中では新型コロナウイルスを抑制する)けれども、フィールドはボール球だらけなので、三振ばかり。

「ボール球」というのは、有機物の汚れや雑菌のことです。次亜塩素酸はそれにまず反応してしまい、ただの水となってしまうため、ウイルスを打ち損ねる。次亜塩素酸水で手指消毒するなら、仕上げに使うことです。

まず石鹸で手指の有機物の汚れを徹底的に洗い流してください。その上で、出来立ての次亜塩素酸水をびしゃびしゃに使う。出来立てでないといけません。スプレーボトルに詰めて時間が経過した次亜塩素酸水は、変質してもうただの水になっています。ボトル内で素振りしてしまうのですね。それくらい次亜塩素酸は元気な物質です。

テーブルなどに次亜塩素酸水を使う場合も同じです。厚生労働省が作成した資料によれば、有機物を予め除去してから、有効濃度の、出来立ての次亜塩素酸水をびしゃびしゃに使え、とあります。

でも石鹸等できれいにした時点で、ウイルス対策はできているのだな。

空間除菌は夢のまた夢

次亜塩素酸水は、加湿器と組み合わせての空間除菌装置として活躍中ですね。空間除菌といえば、二酸化塩素を使うタイプもある。

私はどちらも信用していません。暇だったので、極小のウイルスに薬剤をあてられる確率を計算してみたんですよ。天文学的に低い。加湿器の性能も考慮して、どれくらいの水を噴霧すると、確実にウイルスに当てられるかも計算してみました。小学校の教室くらいの広さだと、13億リットルくらいという結果。こんなの、日本中が水不足になります。

加えて、次亜塩素酸はボール球に手を出す四番です。空気中のホコリなどに反応して、すぐにただの水になってしまいます。ウイルスにあたる保証もなければ、あたっても抑制する根拠もない。

東京オリンピック前には、下のような装置が話題になりました。ツイッターなどでは否定的な意見ばかり。私もそれに同意します。これで体表のウイルスを抑制できるとすれば、髪の毛や衣服がまだらに脱色されたりするはずです。このミストをかぶってもなんともないなら、ウイルスもなんともないでしょう。

空間除菌ができる可能性があるとすれば、紫外線です。ただ、一般的な紫外線装置はヒトに有害で、使い方を間違えると失明する危険もあります。飲食店が足元に設置した紫外線で、食事中に足にひどい日焼け(つまり火傷)を負ったというツイートもありました。

222nmの紫外線なら安全、と一時期話題になりましたが、いまだ普及をしていないから、価格の問題とか、なにかありそうです。また、光には影ができるという問題もありますし、設置には工事が必要になります。

酸化剤は人体とモノに影響がある

ウイルスに当たらない、という以上に、次亜塩素酸や二酸化塩素などの酸化剤には、金属が錆び、ヒトの健康をそこなう、という問題があります。ウイルスの構成は気道上皮と似た構成になっているので、ウイルスをやっつける酸化剤をヒトが吸いこむと、肺炎を起こしたりするのです。空間除菌に反対する医師が多いのは、そのためです。

行きつけのチェーン店が、店内のあちこちに次亜塩素酸水噴霧装置を置くようになってしまいました。悲しい。「これで安心」と思う人もわずかにいるでしょうが、多くの見識ある人たちは、「この店には二度と来ない」という判断になるでしょうね。ウイルスに効果があるとすれば、客が肺炎を起こします。もしも平気なら、ただ水をまいているのと同じ。湿度が高くなるだけ。

感染予防効果を期待できたとしても、ヒトの健康を損なう可能性の高いものを店内のあちこちに置いて、強制的に客にふりまくのは、接客業として失格だと思います。ま、長居をするな、ということかもしれませんが。

この説明が、よくできています。

アルコールの使い方も間違いだらけ

手指消毒といえば、一般的なのはアルコール消毒ですが、いやもうほんと、観察するとほとんどの方がダメ。片手でちょこんと押して、指先にすりすりするだけ。こんなの、消毒できていません。ウイルスをなめんなよ、です。

アルコール容器って、キリンみたいに首が長いでしょ。その理由を考えたことがないんですかね。下まで押し切ると、出てくるのは手がびしゃびしゃになる量です。それくらい大量にアルコールを使わないと、皺や爪の間にひそむウイルスを消毒できないから、首が長いのです。

ある大学の実験で、手洗いの効果を確認したところ、「石鹸を使った二度洗いが最強」だったそうです。日本人って「クスリ」に弱く、手洗いよりアルコール除菌のほうが「効いている」と思いがちですが、いい加減な使い方をするくらいなら、石鹸で手洗いするほうがいい。それも二度繰り返すと効果絶大です。

おもちゃもアルコール除菌? 怖いからやめて

ふとテレビをみたら、子どもが陽性者となった家庭で、玩具のひとつひとつまでアルコール除菌をしていたのです。もう絶句。怖いからやめて! です。こんなシーンを放映するなんて、テレビもどうかしている。

神経質な方が、玩具から床からあらゆるところをアルコール消毒したあと料理を始めた瞬間、爆発するなんてことが起きるかもしれない。料理店が火事になった実例はすでにある。下は中国での爆発事例ですが、フットスパ店で、店員がアルコールを入れ換えていただけです。

上越消防事務組合の実験では、70%アルコールは24度で引火します。私は、自宅に大量のアルコールを保管することさえ、やめたほうがいいという意見です。

基本的に感染者は常にウイルスを吐出するわけですから(感染してからの日数と状態により、吐出量は変動する)、頻繁に消毒したところで、たいして意味はありません。家族に感染者がいるなら、それよりも隔離と換気が重要。あとはマスクと手洗いの徹底です。

コスト削減。私ならこうする

明らかに水で薄めているアルコールに出会って、もうその会社を信用できなくなったこともあります。水分を増やして揮発性がなくなると、効果が失われるわけですから、やっていることがチグハグすぎる。目先のコストダウンと人の生命を天秤にかける会社が、信用されるはずもないでしょう。

コストダウンしたい気持ちはわかりますよ。日本中で、飲食店も会社もアルコール購入費が負担になっている。そういうことなら、私は社員の全員にGSEを使った除菌剤を配布して、環境消毒をやめます。ドアノブやエレベータのボタンなどをひたすら消毒するのも、じつはたいして意味はない(アメリカのCDCは一日一回でいいと勧告)。それよりも、手指衛生を保つほうが効果は高いし、環境消毒にかかる人件費を考えたら、トータルで大きな節約になります。

GSEを使う理由は、手肌が荒れないからです。アルコールは皮膚のタンパク質を壊すため、確実に手が荒れます。ちょこん、と押す人の中には、「手荒れに悩んでいるからつい」という人もいるでしょう。GSEなら手荒れの心配がないので、頻繁に使えます。

ウイルスは目・鼻・口の粘膜から侵入します。逆にいうと、ここをブロックすれば、感染もしないのです。1)目の前に感染者がいて、そのウイルスが目・鼻・口を襲ってくる場合と、2)手指にウイルスが付着し、それを目・鼻・口にもっていってしまう場合の二つが大きな感染リスクですが、2は環境消毒をするより、手指を常に清潔に保つほうが、効果的にリスクを下げられますし、コストも下がります(「自分専用の薬剤」は共用の薬剤より大事に扱われるものです)。

空気清浄機は設置台数が問題

空気清浄機にも要注意です。たしかにさまざまな方式で、新型コロナウイルスを抑制できる(あるいは捕捉できる)空気清浄機はあります。HEPAフィルター式の空気清浄機はとっくの昔から病院でも活躍しており、実績もある。

でもね、広い部屋に1台置いて、「これで安全」と安心するのは、どうかと思うんだな。問題は空気流入量と範囲です。空気清浄機と離れた場所の人間が吐出したウイルスを捕捉できるほどの空気流入量、ありますか?

スモーカーを探して、タバコの煙を部屋で吐き出してもらうと確認できるでしょう。近くにいる感染者が吐出したウイルスは、0.1秒で鼻や口に飛び込んでくるのです。室内で吐き出されたタバコの煙を数秒で吸いこんで、きれいにするような空気清浄機でなければ、感染予防の役には立たないでしょう。

その場合は、台数を増やすことです。あるいはサーキュレータなどと併用する。頻繁な換気がベストだけれども、窓のない部屋、あかない部屋では空気清浄機くらいしか頼るものはないことも事実。1部屋1台ではなく、4人に1台など、必要十分な台数を設置することが理想でしょうね。

この手の製品の「エビデンス」もほとんどがin vitroです。部屋に置くなら、ボール球に手をだす四番にならないようにする配慮が必要です。

時すでに遅し

そういや、ボール球に手を出すどころか、そもそも試合に間に合わない打者もいました。低濃度オゾン発生器です。

たしかに低濃度オゾンはウイルスを抑制する能力をもっています。しかし実験をみると、in vitroで、なおかつ抑制に40分ほどかかっている。その40分の間に感染してしまうでしょうよ。

せめて4分、できれば4秒で効いてくれないと、感染予防ができるはずもない。そもそも感染者は、次から次にウイルスを吐出するのです。ウイルスを無力化するのに40分もかかるなら、それはもう抑制できないに等しい。光触媒を使った除菌コーティングでも話は同じです。数時間後にウイルスを抑制しても、試合はとっくに終わっています。

「窓をあけて走る」のが正解

低濃度オゾン発生器も、ウイルス対策としてではなく、消臭対策として使うならアリです。下の使い方は正しい。もともと低濃度オゾン発生器はこういう使い方をするものでした。ここに「ウイルス対策」と書いてあるタクシーも見かけますが、明らかに誇張です。「感染防止策のため、乗車後は窓をあけて走ります」のほうが、よほど安心できる。

「除菌消臭」は低濃度オゾンの正しい使われ方

たしかにオゾンそのものは、ウイルス対策に使うことができます。病院でも使われています。これは事実。ただ、病院で使う濃度は、その場にヒトがいると死亡するか、助かってもひどい後遺症の残る重篤な肺気腫になる濃度です。オゾンでウイルスがその場で死ぬのなら、そこにいる自分も死ぬ、という話。オゾンを使っているというのに、乗車中になんの違和感もないなら、ウイルス対策にはなっていないということですよ。

食事は熱々のうちに黙って食べ尽くせ

ヒトと会うのをやめる。それが最高の感染防止策です。でもヒトは、なかなかそうはいかない。友達とおしゃべりしながら食事をするのって、意外に大事なことだったんだな、と実感している人も多いことでしょう。

せめて有効な感染防止策をとりましょう。最悪なのが、こんな食事↓

クシャミや咳で数百万個のウイルスですよ。そして思いのほか、手づかみも多い。

これは外食でも、家の食事でも同じです。家庭内感染が増えていますが、当たり前の家族揃っての食事が、感染リスクの高い行為にほかなりません。ともかく、嵐が過ぎ去るまでは、こういう食事は諦めてください。面倒でも、

  • 会話するときはマスクをする
  • 料理が出てきたら熱々のうちに黙って食べる(黙食
  • 手元に消毒液を置いて、手づかみする前に必ず手指消毒をする

を徹底することです。

なかでも熱々のうちに、黙って食べきることが重要です。ウイルスは熱に弱い。インフルエンザで発熱するのは、高い体温でウイルスをやっつけるためです。多少、飛沫が落ちてきたとしても、熱々の料理ならウイルスを抑制できます。

逆に言うと、おしゃべりに夢中で、料理を長時間テーブルの上に放置するなんていうのが最悪。冷めたところに、隣の客からのウイルスが落ちて、それを食べて感染する。こんなの、イヤでたまらないでしょう?

パーティションはなんのため?

補助金が出ているおかげもあって、パーティションを設置する飲食店が増えました。でも設置の仕方を間違っていることも多い。

いったい、パーティションで何を防いでいるのか、ということです。飛沫が料理に飛び込むことを防ぐものでしょう。だったら、正しい位置はここです。

この位置にパーティションがあり、互いの料理に相手の飛沫が落ちることを防ぐなら、意味があるわけです。でも多くは、隣との境界に置いている。そっちに向かって話すことは、まずありませんよね。

調味料も拭いてほしい

飲食店で気になることはもうひとつ。先客が席をたった後の清掃作業です。100人中100人が、往復運動でテーブルを拭いている。これ、往でかきとったウイルスを、復でまたなすりつけているだけです。拭き取りは面倒でも、単方向でお願いします。

もちろん効果のある薬剤を併用しているなら、ウイルスをなすりつけても、すでに感染力を奪っているから問題はありません。でも使っているのが、何日も経過して効力の落ちた次亜塩素酸水スプレーだったりするわけですよ。嗚呼。

私は仕方がないから、GSE水溶液をいれたポータブルタイプの超音波加湿器を持ち歩いて自衛しています。

食べにくくなったのが、牛丼屋にある紅生姜。前の客が感染者で、蓋をあけているときにクシャミでもして、数百万個のウイルスを吐出していると、中に入っているに違いないと思ってしまう。こういう気持を汲んで、対応してくれるとうれしいのに。

GSEをいれたバッテリ駆動の超音波式加湿器

あれもこれも「会食」です

感染者にヒヤリングすると、「それが会食にあたるとは思っていませんでした」という驚きの反応があるそうです。ともかく「マスクをとって、2人以上で飲食をともにする」ことが、リスクの高い行為なのです。

BBQも安心はできません。「外だから換気もいい」と思うかもしれませんが、外だから声が大きくなり、飛沫もウイルスもお皿に飛び込んでくる。ツイッターでシェアされているこの画像、重要なのでよく見ておきましょう。どれもこれも会食です。感染リスクが高いです。それはマスクをとるからです。

その他、つれづれなるままに箇条書き

  • 「何を考えているんだ!」と怒鳴りそうになった話
    • マスクをわざわざとって、なにをするのかと思ったら、クシャミをしたオッサン! いやそのマスクは、ウイルスの侵入を防ぐだけじゃなくて、あなたが感染者だった場合に、他人に迷惑をかけないようにする意味もあるわけだよ(むしろこっちのほうが大きいかも)。
    • 「私は平気」といってマスク着用を拒否する人も迷惑この上ない。どうも日本人は、自分が被害者になることばかり想定していて、加害者になることを心配しないという問題があるように思う。「うちの子がいじめられていませんか」という心配はするが、「いじめていませんか」という心配をしない。

  • 喫煙所で話しかけるなって
    • 飲食店はスーパースプレッディングスポットになりやすいから、規制されている。その理由はカンタンで、「マスクをとって話す場所」だからだ。酒が入るとさらに「大声で話す場所」になる。
    • 同じ理由で危ないのが喫煙所だ。マスクをとる。黙りなさい。ジムなどの更衣室も同じ。温泉浴場も同じ。「マスクをとったら黙る」ことだ。

  • 飲食店選びの基準
    • 隣の席との距離、および換気を確認する。これに組み合わせるパラメータは「客が話す店かどうか」だ
      • 立ち食い店を規制する理由はないと思う。誰も話さない。
    • 比較的安全だと思うのは、焼肉店とか焼鳥店とか、煙の出る料理店
      • 換気装置が充実しているし、食材にウイルスが飛んでいても、焼いてから食べる(ウイルスは熱に弱い)
    • のんびりと話ながら食べる店では、換気と距離を気にする。
      • さらに気にするのは、座って話す客がマスクをしているかどうか

  • 鼻をかんだティッシュをそのままかよ
    • 咳やクシャミをされると緊張が走るが、鼻をかまれるのも、かなりイヤ
    • とくに気になるのが、鼻をかんだティッシュの始末
      • 感染者なら、そこに大量のウイルスがいる
      • 問題は乾燥してから。鼻水が乾燥するとウイルスが飛散する
    • 私はティッシュにGSEをふりかけて、ビニール袋にいれるというマナーをひろめたい
      • アルコールや次亜塩素酸は、鼻水まみれのウイルスには効かない
      • とくに在宅療養では注意。ゴミ捨ては完全防備でやるべき

  • 「感染予防策は万全だったのに」と報道するのは思考停止
    • どうみても万全じゃなかったから、クラスターが発生しているんだよ。ぜひその原因追求をして記事にしてほしい

  • 「塵埃感染」の可能性
    • ドアノブの消毒をし、1時間ごとに換気をしていた、という劇団練習でクラスターが発生したときも、「万全だったのになぜ」という記事が出ていた
    • 私はこれ、塵埃感染の可能性が高いと思っている。感染者が吐出するウイルスの大半は床に落ちる(唾や鼻水に包まれたウイルスは重く、下に落ちる)。乾燥するとウイルスが舞い上がり、それを吸いこむことで感染するのが、塵埃感染
    • その上、おそらく休憩中は、ウイルスまみれの床に座りこんでいたに違いない。服にも手にもカバンにもウイルスがついただろう。
    • あまりこういう指摘をされたことはないが、「床対策」ができていないところが圧倒的に多い。ここに手をうつだけで、感染リスクをかなり小さくできると思う。
    • 皮肉なことに掃除がヤバイ。掃除機をかけると、塵埃は部屋中に飛び散る。掃除作業の危険性はもっと認識されるべきだと思う。

  • 新型コロナのワクチンは、「やっと戦える」というのみ
    • ワクチンを接種しても感染する(ブレークスルー感染)ことが話題になっているが、こんなのある意味、当たり前のこと
    • 麻疹のワクチンのように、「うてばまず感染しない」ものとは違う。新型コロナのワクチンは、ヒトに対して「ウイルスと戦う武器」(抗体)をくれるだけ
      • 新型コロナウイルスに対する抗体をもっていないから、パンデミックになった。抗体がなければ、ものすごく感染しやすい
    • ワクチンをうって、やっと「ふつうのインフルエンザと同じ程度の感染のしやすさ」になる。免疫機構が頑張り、体力が頑張って、運がよければ感染しない
      • インフルエンザの集団感染でも、感染せずに済む人がいるのと同じ
    • 「ワクチンをうったからもう平気。飲みに行くぞ!」という愚かな夫に待ったをかけた話がツイッターに流れていた。そんな気分では、感染してしまう。ワクチンをうったら、次はインフルエンザ対策が必要なのです。体力・抵抗力がないと、負けますよ。

  • もう別の病気でパンデミックになっている、と考えるほうがいい
    • デルタ株で様相ががらりと変化。もはや別の病気と思うほうがいい
    • 最大の変化は、幼児・児童を含めた若年層の陽性者が増えており、かつ、重症化もしていること
    • 「(若者にとって)コロナはただの風邪」というのは、もはや過去の話

  • 肺は「再生しない臓器」である
    • 重度の肺炎となり、肺の細胞がやられてしまうと、もう元の身体に戻るのは難しい。なぜなら、肺は再生しないから
    • 治癒したとしても、肺に大きな後遺症が残り、ずっと下のイラストのような状態になる可能性は、若い世代にもある。致死率が低いからといって、けっして安心することはできない。私はやはり、「かからないこと」を勧める。
新型コロナウイルス感染症で肺がやられると、図のように酸素ボンベを持ち歩く日々となる可能性がある。もちろんこうなると、もう一生、運動は無理。

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