「全員団結」というナンセンス

いよいよ東京オリンピックの年となった。オリンピックは、けっして嫌いではない。夏の開催にこだわるなら、もうこれからは毎年アテネで開催したらどうか、という意見はもっているけれども、各国で開催する意義もなくはない。

ホストがナショナリズムに走ってどうする

しかし、その意義を台無しにしかねないのが、このサイトだ。個人がたてたプライベートなサイトではない。JOCの公式サイトである。URLもdanketsu.jpという安直なもの。

日本は世界から選手を迎えいれる側である。ホストである。ホストはオリンピックの精神にのっとり、どの国の代表選手も温かく受け入れ、応援し、相互理解をはかるべきではないか。「日本中が心をひとつに、東京2020オリンピックに参加する選手たちを全力で応援しよう」というのであれば納得もする。

さらに恥ずかしいメッセージングが、これだ。

JOCにとってのオリンピックは、「勇気を出して参加しよう」という呼びかけをしなくてはいけないようなイベントらしい。世界のトップレベルのアスリートたちが全力で競う姿に触れ、応援するのは楽しみだと思うのだが。

誰を、どの国を応援するのも、個人の自由だ

うんざりするのは、このメッセージングがファシズム的であることである。「日本人なら日本代表選手を応援しろ。団結しろ」という。ホストタウンとして、各国の代表選手を受け入れる地方自治体の人たちは、その国の選手を応援したいだろう。それが国際親善・相互理解の第一歩であって、オリンピックを招致しておいて、他国の選手を応援することを否定するようなアクションを起こすのはナンセンスに過ぎる。JOCにオリンピックを主催する資格はあるのか、と問いただしたい。