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落ちたリンゴで考えたこと

突然、友人から久留米市の「まるは油脂化学株式会社」を紹介された。無添加石鹸をつくっている会社である。ピンときた。この友人はセンスがいい。

まるは油脂化学は、植物からエキスや精油を抽出して、固形石鹸、洗濯用・食器用液体石鹸、シャンプー&リンスなどを製造する企業だ。即座に、台風で落ちたリンゴの映像が浮かんだ。落ちたリンゴはカビなどの心配があり、商品として流通させることは難しいが、石鹸に生かせる可能性はある。

その後、同社の三代目・林 眞一氏から直接、連絡をいただいた。内容は以下の通り。

  • 被害を受けた農産物を使った石鹸製品の企画・製造の相談に乗ることができる(無料)
  • その後は、OEM製造を請け負うことが可能(試作から有料)

すなわち、被害を受けた農産物を生かす選択肢が増えるという話である。なにより、無添加にこだわるところがいい。私自身、パラベンとエデト酸塩が入っている石鹸を使うと肌の調子が悪くなる。

また、石鹸は自家用に作るのは容易だけれども、商品にするのは難易度が高いもののひとつ。労働安全衛生法、家庭用品品質表示法、景品表示法、環境基本法、容器包装リサイクル法、毒物及び劇物取締法、化審法、化管法、製造物責任法(PL法)などをクリアする必要がある。OEM製造なら、これらを製造元がクリアしてくれるというメリットがある。

「災害対策」を越えて

重要な点は、同社の提案は無償ボランティアでも、その場かぎりの支援でもないということである。農産物の産地が、別のビジネスを展開するパートナーになるという申し出だ。

これは災害支援の枠にとどまらない提案である。いや、むしろリンゴが落ちてから相談していては、間に合わない可能性もある。農産物の別の利用法として、日頃から検討をしておく価値のある提案だ。

産地には、摘果されたものも、規格からはずれたものもある。災害時にとどまらない。日頃から、ホウレンソウの石鹸から、青ミカンのシャンプーまで、製品化できる可能性はあるだろう。

Climate changeはもう疑いようがない事実で、ここ数年、日本列島では毎年のように広範囲の豪雨災害が起きている。30年に一度、50年に一度の災害なら、その場かぎりの支援でも間に合うかもしれないが、もはやそれではカバーしきれない。この規模の災害を、来年も経験するという覚悟が必要だ。日頃から農産物の「別の利用法」を開拓していれば、それが災害への備えとなる。

SNSの活用は必須

ただし、石鹸を作るだけでは、道半ばであることもまた事実だ。作ったものが商品として定着しなければ、ビジネスにならない。つまり、売れるものにする必要がある。

仕上がった石鹸がステキなものであることは当然として、パッケージデザインからPR戦略まで、知恵を絞る必要があるだろう。原材料があり、製造工場があっても、「商品」はできない。そして商品ができても、販売はもっと難しい。

幸い、テレビコマーシャルをうたないと告知できず、問屋が扱わないとまったく売れなかった時代と異なり、いまはウェブページとSNSを使って告知することができ、ネット通販で直販することができる。資本がなくても、知恵と熱意で突破できる可能性があるということだ。挑戦する価値はおおいにある。

本件の相談先

まるは油脂化学株式会社
福岡県久留米市高野2-8-53   〒830-0002
Tel. 0942-32-9529
http://www.nanairo.co.jp/

試作費用:2万円(固形石鹸)/3万円(液体石鹸)
相談:無料

※投稿トップの画像は、 長野県「みはらしファーム」の投稿より。