趣味の話である。音楽のことだ。いまでも残念に思っているのは、ソニーのウォークマンである。まさかウォークマンの牙城が、もろくも崩れさるとは、思っていなかった。言うまでもない。アップルのiPodにしてやられてしまったのである。
敗因はいろいろ考えられる。第一に、日本企業は著作権との向き合い方が下手だということが挙げられる。それを気にするあまり、リッピングやダウンロードの世界の構築に及び腰になってしまった。
第二に、「単体」での性能にこだわりすぎた。おそらくソニーの技術陣は、iPodの音を聴いて、「こんな音質では、ウォークマンの敵ではない」と判断したのではないか。しかしiPodは、リッピングもダウンロード購入もできるiTunesでシェアをのばした。もはや単体の性能は問題ではない。そこを見誤ったのではないかと思う。
iTunesは使いにくい
しかし私は、いまからでも逆転は可能と見る。iTunesとiPod/iPhoneを使っているが、iTunesがけっこう使いにくいからだ。まだまだ、アプリケーションとしての機能は未熟である。もっと洗練された、もっとユーザーに便利な機能を充実させたアプリケーションを開発すれば、リプレイスすることは可能なはずだ。
というわけで、やっと本題である。iTunesを使って困ったのが、プレイリストにおいて、アルバムの通りに曲が並ばないことだった。しかし、なんというのか、プレイリストの最後に
「プレイリストがミュージックである」
の一条件を加えると、曲順が正しく並ぶ。まったく謎だ。不思議だ。ちゃんと並ぶから文句はないが、こんな余計なことをしなくても、曲順はアルバムの通りに並ぶべきだし、任意に順番を変えることにも対応すべきだろう。
諦めるのはまだ早い。話題になるような使いやすく、性能がよく、ユーザーフレンドリーなアプリケーションとともに、ウォークマンが復権することは可能だと思うし、ぜひそれを期待したい。