「私のGSE活用法03」の続きで、PR記事である。手指衛生の徹底/床対策/モノの除菌/キッチンでの利用/カビ対策に続いて、ペットにも使っていることを説明する。
GSEは、ペットにも安全や薬剤であることが大きい。イヌもネコも小鳥もアルコールを分解する能力が低いため、少量でも急性アルコール中毒症状をおこし、最悪の場合は死亡するから、ケージや床の清掃にアルコールは使いにくい。まして、イヌやネコの手指衛生にアルコールを使うのは無茶だ。
匂いの問題が解消されるにとどまらない
イヌやネコの室内飼いの悩みは匂いである。そして、GSEは除菌できるだけでなく、消臭能力も高い*16。ペットシーツや猫砂の匂いも、GSEスプレーで解決できる。「驚いた。ネコの粗相の匂いもとれました!」という大喜びのメッセージをもらったこともある。
そして、イヌやネコと触れあったあとの手指衛生などにも使ってもらいたい。イヌやネコとの触れ合いで気をつけないといけないものを列挙しておく。危ないのは狂犬病だけではない。
- パスツレラ症
咬まれたり引っかかれたりすることで感染。咬まれた部位が腫れたり、化膿したりする。パスツレラ菌はイヌやネコの口腔内に常在する菌である(イヌの口腔内には約75%、ネコの口腔内には約100%の確率で存在)。
なお、たまにイヌやネコとキスをする人も見かけるが、避けるべきだ。菌によっては死亡事例もある*17。 - カンピロバクター症
糞便や汚染された食品を介して感染する。 - サルモネラ症
同じく糞便を介して感染し急性胃腸炎をおこす。ただし、これはイヌやネコがサルモネラ菌に感染していた場合である。 - 皮膚糸状菌症(リングワーム)
イヌやネコの皮膚や毛に付着した真菌が人に感染する病気。皮膚に赤い円形の発疹が現れる。 - トキソプラズマ症(主にネコ)
トキソプラズマ原虫が原因。ネコの糞便を介して感染する。とくに妊婦は要注意だ。胎児に影響が出る恐れがある。 - 猫ひっかき病(主にネコ)
バルトネラ菌が原因で、ネコに引っかかれたり咬まれたりすることで感染。リンパ節が腫れたり、発熱や倦怠感が現れたりすることがある。
私は糞便にはGSEをスプレーしてから片づけ、手指衛生をしているし、エサの容器もGSEしてから洗っている。下手な洗い方をすると、病原体を周囲に撒き散らすからだ。そして、ひっかかれたら軽い傷でもGSEを使う。こうして多用しても、ペットに悪影響がないのがGSEの長所である。
とくに気にしなければいけないのは、新型コロナに感染した後の飼い主だ。免疫がダメージを受けているから、ペット由来の病気にもかかりやすくなっていると考えたほうがいい。
イヌもネコも新型コロナに感染する
そして、ヒトの新型コロナ感染にイヌやネコなどのペットも「巻き添え」になっている。新型コロナウイルスはイヌにもネコにも感染する。現段階では、どちらも致命的な症状は報告されていない。無症状か、クシャミなどの呼吸器症状や下痢などの消化器症状を示すが、軽症で自然におさまるという状態である。
しかし、「イヌやネコは感染しても軽症だし、平気だよ」と言い切っていいのかは、かなり疑問だ。新型コロナウイルスはヒトに対して、急性期の症状が軽くても、重いダメージを与えることがわかっている。ざっと挙げると
- 免疫を攪乱して他の感染症への抵抗力を奪う
- 脳にダメージを与えてブレインフォグをもたらし認知症も誘発する
- 膵臓に感染して2型糖尿病も増やす
- ミトコンドリアの活動をのっとって細胞のスタミナを奪い、心臓・肝臓・腎臓の機能障害を誘発する
- 血栓を多数つくり脳卒中や心筋梗塞など血管系の病気をもたらす
- 味覚障害・嗅覚障害に加えて、頻度は低いものの、聴覚障害・視覚障害が残ることもある
などだ。ヒトに対してこのような多大な影響があることは、2020年段階では明確になっていなかった。この4年間で、徐々に研究が進み、判明したことである。
これと同様に、イヌやネコに対する感染の影響も「現時点ではわかっていないだけ」という可能性がある。寿命が短くなるとか、認知症*18になるのが早くなる等の影響が残ることは、十分に考えられるだろう。やはり、たとえ軽症で終わることが多いとしても、感染させ放題にするのはよろしくないと思われる。
新型コロナ感染の防ぎかた
ウイルスは変異によって病原性が変わることにも注意が必要である。今後の変異体によっては、急にイヌやネコに致死性を示し始める可能性もある。
また、感染後は、ヒトの場合と同じように免疫がダメージを受けて感染症に脆弱になっていることも考えられるから、少し面倒だが、ペットとの生活では、衛生管理レベルをあげたほうがいいだろう。これは新型コロナ感染を防ぐためにも、その後の他の感染症を防ぐためにも有効だ。いま世界中で大流行しているマイコプラズマ肺炎も、イヌにもネコにも感染する病気である。
ペットにとって最大のリスクは飼い主が新型コロナに感染した場合である。大事なペットを守りたいなら、症状のあるときや、数日前に宴会とカラオケ大会を楽しんだ友人から「発熱した」という連絡をもらったときなどは、念のため室内でもマスクをしてペットと接するようにしよう。そして換気レベルをあげる。
また、床に落ちたウイルス・菌の処理をしておくべきだ。とくにネコは、足裏を舐めてきれいにする習性があるので、GSEを使った床清掃をしておく。床が清潔なら、ウイルス・菌も付着することはない。ソファなどもケアしておいたほうがいいだろう。
H5N1の脅威が迫ってきた
イヌの散歩帰りに足裏を拭いている人が多いと思うが、これからは念のため、GSEを使うことを勧める。その理由は、高病原性鳥インフルエンザウイルスであるH5N1ウイルス*19のリスクが増しているからだ。
このウイルスはペットに甘くない。イヌにもネコにも致死性である(ヒトに対しても、現時点では53%程度の致死率だ。感染者の2人に1人が亡くなる)。そして、ヒトからヒトにうつる新型コロナと異なり、渡り鳥が運び屋になるため、いつ、どこでこのH5N1ウイルスに遭遇してしまうかもわからない。人が踏み入れたことのない荒野でも感染リスクがある。もちろん、たとえ鎖国したところで、流入するのをとめられない。
そして2023年に、ポーランドや韓国などでネコが次々と感染し、死亡する事例が報告された。イヌやネコにも感染がひろがったのである。これを受けて、ポーランド政府は以下のアドバイスを出している*20。
- できれば、ネコは室内で飼う
- バルコニーやテラスに出すなら、そこを洗剤できれいにしておく
- 鳥を含む他の野生動物と接触するのを防ぐ
- 外に出すなら、猫に履物をはかせる
- 信頼できる餌を猫に与える
- 動物と接触した後は手を洗う
かなり神経質だが、これはネコが感染すると、飼い主もネコから致死率の高いH5N1ウイルスに感染する可能性があるからだ。事実、2024年11月にカナダで10代のH5N1感染事例が発生したが、その感染源として真っ先に疑われているのは、発症寸前に謎の病気で死亡(安楽死)した飼いイヌである。
現時点では、引き続き調査分析の結果を待つしかない(ので、確定したらこの部分の記述は変更する予定)。ただ、ポーランド・韓国の事例にカナダの事例をあわせると、イヌやネコがいつH5N1ウイルスに感染してもおかしくない状況になっていることは確実だ。そして当然、ペットが感染すれば、飼い主もリスクにさらされる*21。
ポーランド政府の注意喚起で注目は、足元のケアを推奨していることである。イヌもネコも、足を清潔にすることが大事だ。GSEなら不活化効果を期待できるし*22、拭き取った足をネコが舐めても問題は起きない。イヌ・ネコが歩きまわるところにも使っておきたい。GSEは効果に持続性があるからである。玄関にGSEを浸した足踏みマットを置くのもいいだろう。ヒトの靴裏にも効果を期待できる。
さて、ネコの飼い主なら、気にしていない人がいないのがネココロナウイルス(FCoV: Feline CoronaVirus)である。猫伝染性腹膜炎(FIP)という致死率の高い病気を発症することもあるウイルスだが、最近、厄介な変異体が発生したことが中国から報告されている。どこが厄介かというと、ネコに致死性を示す上、ヒトに感染する可能性もある変異をしていた点だ*23。
現時点では、これを恐れる必要はない。渡り鳥が世界に、そして日本の各地に運んでしまうAIVと異なり、FCoVの新しい変異体が伝播してくるにはかなりの時間がかかると思われるし、封じ込めに成功する可能性もある。しかし、このニュースの成り行きは気にしておいたほうがいいだろう。
もちろん、現状でもFIPを発症するのは避けたいに決まっている。それを目的にBNUHC-18を利用されている方もいる(「ネコの衛生対策にGSEは最適」を参照)。
GSEこそ、ペットとヒトのワンヘルスに役立つ植物エッセンスである*24。
(「GSE活用法:飲食店での活用」に続く)
注記
*16
BNUHC-18だけでなく、室内の露出表面の隅々にまでGSEを自動コーティングする装置として、MISTECTも開発している。病院や介護施設、音楽教室や保育園などで成果を出しているシステムだ。新型コロナ対策だけでなく、抗生物質耐性菌や真菌などへの効果も期待できるのだが、このシステムは地下室など猛烈にカビ臭い部屋の消臭にも威力を発揮する。GSEは真菌を抑制すると同時に、消臭能力もあるからだ。
*17
コリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium ulcerans)という菌に感染して死亡した事例もある。厚生労働省の文書にまとまっている。
■コリネバクテリウム・ウルセランスによるジフテリア様症状を呈する感染症患者に関する情報について
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000190778.pdf
*18
イヌやネコも認知症になることは観察されており、呼びかけに反応しない/夜鳴きや昼夜逆転をする/同じ場所をぐるぐる歩き回る/トイレを失敗する/飼い主への攻撃性が増えるなどが報告されている。
*19
「H5N1」というのは、A型鳥インフルエンザウイルスを構成するタンパク質の組み合わせを示す。Hはヘマグルチニン、Nはノイラミニダーゼで、H5N1は「ヘマグルチニンの5番」と「ノイラミニダーゼの1番」の組み合わせのインフルエンザウイルスということだ。Hは1‐16の型があり、Nは1‐9の型があるので、組み合わせは144種類になる。
元は水掻きのある水鳥と共生するウイルスだったが、ヒトにも感染をするようになり、しばしばパンデミックを起こした。これまで、ヒトにも感染して流行してきたのは、(H1, H2, H3) × (N1, N2) の6種類のウイルスである(ほかにB型とC型のインフルエンザがある)。
*20
ポーランドと韓国のネコのH5N1クラスターについてはこの資料が詳しい。
■ポーランド共和国および大韓民国におけるネコの高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)感染事例について(2023年9月15日。国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/images/cepr/RA/AvianFlu/2309015_H5N1_feline.pdf
本文中に引用したポーランド政府のネコの飼い主への注意喚起はこれである(ポーランド語)。
■Komunikat III GLW w sprawie choroby kotów
https://www.wetgiw.gov.pl/main/komunikaty/Komunikat-III-GLW-w-sprawie-choroby-kotow/idn:2283
本件はECDC(European Centre for Disease Prevention and Control)の2023年7月のレポートにも詳しい。
■ECDC: Communicable Disease Threats Report
Week 27, 2-8 July 2023
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/communicable-disease-threats-report-week-27-2023.pdf
*21
H5N1のヒト感染事例が最初に出たのは1997年(香港)だった。その後、東南アジアや中国などで、家禽と生活圏を一緒にしているところで、ポツリポツリと感染事例が出ていたのだが、2024年になってアメリカの乳牛にも感染がひろがり、ヒトへの感染事例が急増している(2024年は11月18日時点で56人)。
そして2024年11月のカナダのヒト感染例では、ゲノム解析によりヒトに感染しやすい変異を獲得していることが判明したため、専門家は「H5N1ウイルスがヒト・ヒト感染を始める直前の状態である」と警告をしている状態だ。
*22
GSEに鳥インフルエンザウイルス(AIV: Avian Influenza Virus)を不活化する効果があることは実証実験で確認されている。
■Inhibitory effect of grapefruit seed extract (GSE) on avian pathogens
https://doi.org/10.1292/jvms.18-0754
*23
■Isolation and Genomic Characteristics of a Novel Pathogenicity Type I Feline Coronavirus in Mainland China
https://doi.org/10.1155/2024/4162458
*24
参考までに海外のイヌやネコのサイトで、GSEの利用法を案内しているものを紹介しておく。抗菌作用・抗真菌作用から皮膚感染症や消化器症状、寄生虫対策での利用法が説明されている。ただし、BNUHC-18は環境除菌を目的とした製品であり、こうした利用法についての確認はとっていない。
[イヌへのGSE利用]
■https://wagwalking.com/wellness/benefits-of-grapefruit-seed-extract-for-your-dog
■https://www.linkinbark.com/blogs/blog/grapefruit-seed-extract-for-dogs
■https://www.natural-dog-health-remedies.com/gse-for-dogs.html
[ネコへのGSE利用]
■https://www.plantextractwholesale.com/blog2/-the-feline-guide-to-grapefruit-seed-extract-benefits-dosage-and-administration.html
■https://thecatsite.com/threads/grapefruit-seed-extract-gse-gfse-part-1.263461/