私のGSE活用法01:手指衛生

前の記事の続きでこれはPR記事である。具体的に、私が日常生活で、どのようにGSEを使っているのかを紹介しよう。

GSEはグレープフルーツ種子から抽出した油分(エッシンシャルオイル)を水溶液化したものだ。油分の状態で輸入し、水溶液に国内で加工している。濃度が問題だが、私が商品化した「BNUHC-18」は極めてうすい。この状態でも多数の菌・真菌・ウイルスの除菌効果があることは、ウイルスを対象にした大学等研究機関での実証実験などで確認している(研究論文も複数出ている)。

じつは水溶液化する工程にちょっとした秘密がある。BNUHC-18の内容成分は高純度精製水とGSEのみで、グリセリンのような添加物を一切使っていない。つまり、製造上の工夫で、添加物を加えず水溶液化することに成功している。これは世界的にもおそらく唯一無二な日本の技術だ*1。このため、環境除菌などにたっぷり使っても、さらさらしており違和感がない。

商品化した理由

BNUHC-18を商品化したのは、2020年当時、GSEは300mLのスプレーボトルが3,000円という相場で販売されていたからである。アルコールの6倍以上の価格。これでは、「人に安全だから頻繁に使えるし、火災の心配もないから床清掃に使える」といっても、コスト的に難しい。この問題を解決したかった。

思いついたのが、スプレーボトルでの販売ではなく、5L/20L単位で販売するというやり方である。個包装をやめてコストを下げたバルク販売と同じだ。お客様に好みのスプレーボトルを組み合わせていただくことで、コストをアルコールに近いところまで下げた。それがBNUHC-18という商品である。5Lタイプで300mLあたり528円(税別)、20Lタイプで同じく375円(税別)を実現している。

前回記事でGSEの利用は「電動ドライバーを使うと家具の組み立てがラクになるのと同じ」という説明をした。改めて書いておく。感染対策の基本はワクチンを定期的に更新した上で、「換気か空気清浄機で空気をきれいにし、頻繁に手洗いし、人の多い密閉空間ではマスクをすること」である。GSEはあくまで補助的なものであり、これを使うことで対策の穴うめができたり、徹底できたりもするが、これがないと困るとか、これさえあればいいという種類のものではない。このことを念頭において、読み進めていただきたい。

さて、私の基本的な使い方は、以下の通りだ。順を追って説明する。

  • 持ち歩いて、手洗いのできない場所で補助的に使う
  • 自宅トイレやリビングの床清掃などに使う
  • キッチンで使う
  • バスルームで使う

たまに「5L単位だと使いきれるか心配」という声もいただくが、このように手指衛生以外にも様々な用途があるので、1‐3か月くらいで使い切る方が多い。

ノーマスクが増えたからこそ手指衛生必須

持ち歩きでの利用には、写真のように伸縮するストラップつきの容器を使っている。ゴソゴソとカバンから取り出すのはじつに面倒くさい。すぐに使えることがとても重要だ。

手洗いできる環境があるなら、石鹸を使った二度洗いをする。これが最も効果が高い。しかし、手洗いは手洗い場がないとできない。たとえば食事中に調味料容器を手にしたら、指先が汚染される可能性があるから、GSEはそこで使う。無臭だから食事のジャマにもならない。そのほか、髪の毛を触ったり、ドアノブを回したり、エレベータの行き先階ボタンを押したあとなどにも使う。早い話が、「手で何かを触ったらGSE」という感じだ。

「新型コロナの接触感染の比率は無視できるほど低い」
という研究報告もあるが、私は評価していない。みんながマスクをしていた時代の調査だと、低くて当然だからだ。感染者の飛沫がマスクでとまっているから、モノの表面が汚染される機会が少ない。

いまは違う。バスでも電車でもエレベータでもスーパーマーケットでも、ノーマスクで咳・くしゃみをする人が多数だし、ひどいときは咳を受け止めた手のひらをそのままに、ドアノブを回していたり、スーパーマーケットで商品を手にとり、また棚に戻していたりする。

さらに重要なことがある。現在、流行している病気はなにも新型コロナだけではない。溶連菌感染やアデノウイルス感染、手足口病など接触感染する複数の感染症も流行している。新型コロナ感染で免疫がダメージを受け、感染症に弱くなっている一方で、ノーマスクが当たり前の社会に移行してしまったからこそ、頻繁な手指衛生が必要なのだ。そしてこれを習慣にしておくことで、H5N1やMpoxなど新しい感染症の流行にも備えることができる(欧米の感染状況をみていると、H5N1もMpox Clade Ibも、いつ日本で感染者が出てもおかしくない状態である*2)。

子どもにも持たせてほしい

前の記事で、アルコールと石鹸だけでは「感染症の世紀となった21世紀を乗り切れない」と考えたことが、GSEに注目したきっかけだと書いた。アルコールは発火の危険があり広範囲には使えないし、子どもにアルコールはよろしくない(急性アルコール中毒の危険もある)。そして手洗いは、できる場所が限られる。

これに加えて、アルコールも石鹸も、使いこなせていない人が多いのが現実だ。手洗いではたっぷり石鹸を使い、指の間や爪先もしっかり洗うべきだが、指の間でさえ、洗っている人は見たことがない。アルコール消毒に至っては、ちょこんと指先を濡らしているだけだったりする。
これは、アルコールを頻繁に使うことで手荒れをした経験があり、なるべく使いたくないという心理も働いているのだろう。医療従事者はポンプを押し切ってびしゃびしゃになるほど出し、手にすりこむようにアルコールを使う。こうしないと、爪の間や皺にひそむウイルスを除菌できないからだ*3

GSEなら手荒れの心配もなく、匂いもなく、子どもの肌にも安全だ。BNUHC-18のGSEは、アメリカで18‐64歳のヒト50名を対象とした累積皮膚刺激及び感作試験(RIPT)をやり、「皮膚刺激性及び感作(接触アレルギー)性を惹起する可能性を示さないことを確認している*4

小中学校のように手洗い場があってもなお、「何かするたびに石鹸で手を洗え」を実行させるのはかなり難しい。冬になるとなおさらだ。私はストラップつきの携帯スプレー容器で、子どもたちにGSEをもたせてもらいたいと願って、BNUHC-18を商品化した。学校では溶連菌感染症からマイコプラズマ肺炎まで、複数の感染症が同時流行しているが、頻繁な手指衛生はその多くに対して感染リスクを減らす効果がある。そしてこの習慣は、H5N1やMpoxのような感染症が襲来したとしても、有利に働くはずである。
私のGSE活用法02に続く)

注記

*1
ネット検索で「GSE」と入力すると、まっさきに出てくるのが写真の製品であり、海外ではおなじみのGSEである。成分表をみると、33%がGSEで67%がグリセリンだ。このGSEはコンデンスタイプで、水に数滴たらして使うものなので、これくらい界面活性剤としてグリセリンを添加しておかないと、分離してしまうのである。

*2
Mpoxの変異体・Clade Ibの感染者がイギリスで出ている。
■Latest update on cases of Clade Ib mpox(2024年10月30日)
https://www.gov.uk/government/news/ukhsa-detects-first-case-of-clade-ib-mpox

H5N1の感染者はアメリカで増えつつある(まだヒト・ヒト感染は確認されていない)。また、カナダでティーンエージャーの感染者が出ており、重症だ。新型コロナウイルスやMpoxと異なり、H5N1は鳥が世界に運ぶので、鎖国で防ぐこともできない。明日、日本で感染者が出ても不思議はない状態である。
■Statement from the Public Health Agency of Canada: Update on Avian Influenza and Risk to Canadians(2024年11月13日)
https://www.canada.ca/en/public-health/news/2024/11/update-on-avian-influenza-and-risk-to-canadians.html

*3
ウイルスのような小さな粒子にとっては、手指の皺や爪の間はグランドキャニオンのような深い谷であり、そこに潜んでいる。おざなりな手洗いでは落としきれない。凹凸の多くあるものに水をさらっと流したくらいで、きれいになるわけがないだろう。新型コロナ初期に公開された手洗い動画を見直してほしい。
「正しい手洗い方法」(厚生労働省)

よく観察すると、プッシュタイプのアルコール容器は首が長い。ロングストロークになっているのは、「最後まで押し切ることで、手指衛生に必要な量を出す」という設計になっているからである。ちょこんと押している限り、アルコール消毒の効果は期待できないということだ。
GSEも爪の間にも行きわたるようにたっぷり使ってもらいたい。手が汚れていたとしても(汚濁環境でも)、GSEとアルコールには除菌効果があることは、研究で確認されている。
■“除菌”などをうたった製品の消毒効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsei/36/3/36_157/_pdf/-char/ja
(表中のシトラリッチが、BNUHC-18相当のGSE水溶液である)

なお、記事では「除菌」という表現を主に使っている。ウイルス相手に除菌というのもおかしいのだが、「消毒/殺菌」という用語の使用については薬機法上の制限があることからの苦渋の選択である。「消毒/殺菌」という用語は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって効果が認められた医薬品または医薬部外品にしか使うことはできない。

*4
フルーツや小麦粉など「食べるもの」を肌に触れさせると、アレルギーを発症しやすくなると言われている(石鹸など実例多数)。GSEはグレープフルーツ由来だが、誰も口にしない種子の成分を抽出したものであり、「食べるものを塗るな」には該当しないと考えていいだろう。
事実、GSEを添加した無印良品の化粧水やアメリカのベストセラー点鼻薬・Xlear、Prodeco PharmaのGSE吸入薬について、アレルギー問題の報告はない。