[COVID-19]戦争と平和

私は感染症の専門家でも、ウイルスの専門家でもないので、このコラムは話半分に読んでもらいたい。

ウイルスも必死なはず

新型コロナウイルスが人間を好むのは、自分が生きていくためである。空気中に放り出されると、そう長くは生きられない。プラスチックや金属の表面ではもうすこし生きているという調査があるが、それでもやはり、死ぬ(死活する)。人間こそが最適なパートナーであり、だから「宿主」という言い方をする。

ウイルスからみると、宿主とは仲良くやっていきたい。宿主が死ぬと自分も死ぬしかない。一蓮托生だ。きっといまごろ、ウイルスのほうも
「おかしいなあ。また人間を殺しちゃったじゃないか」
「お前が『これでいける』というから遺伝子情報をコピーしたのに、なんだよ?」
「悪い悪い」
「みんなにコピーしちゃったじゃないか。あわせる顔がないぞ」
なんてやりとりをしているに違いないのである。

第二波は「L亜型」という別の新型コロナウイルスだ、という情報を書いたが、こうしたウイルスの変異は、「宿主を殺さず、共生するための工夫」である可能性がある。やみくもに変異をしているのではなく、いつまでも人間の細胞でぬくぬくとしたいので、ウイルスも必死で変異をしているのではないか、ということだ。

これと似た例が梅毒で、ヨーロッバに梅毒が伝わったときは、宿主を殺す病気だった。ルネサンスの時代、ヨーロッパの人々はおもに梅毒で生命を落としていたのである。新型コロナウイルスの状況と重なる。
だからこそ、「いま」は罹患してはならない。医療崩壊の一因になり得るし、今後、このウイルスが宿主を殺さなくなる可能性もある。

「バイ菌」と言ってごめんなさい

視点をがらりと変えて、ウイルスの側から人間を見てみよう。
「ちょっと思い上がっているんじゃない? 勝手におれたちのことをバイ菌とか言ってさ。ウイルスだっての。菌じゃない」
「菌は差別されてて大変だよ。人間とって都合がいいと『有用菌』、都合が悪いと『バイ菌』だってよ」
「名称だけなら我慢するけれど、『除菌クリーナー』で拭き取りにくるのがうざいよね。オレたちも巻き添えにされるし」
「そうそう。あ、最近、仲間入りしてきたあいつ、けっこう有望なワクチンかもよ」
「たしかに。おお、たしかに。SARS-CoV-2とか名前つけやがった。素性はバレてるみたいよ」
「エンベロープ型なのが不安だけどな、ひとまず、暴れてもらおうじゃないの」

ということかもしれない。ウイルス世界からみると、人間をやっつけるワクチンが、SARS-CoV-2なのかもしれない、という妄想である。この戦争は、人間にとっては、かなりきびしい戦いだ。完全勝利は難しい。なにしろ、いまだにインフルエンザや風邪の特効薬は手にしていない。

どのタイミングで和平交渉をするかが鍵である。

さて、COVID-19について、とてもいい解説があったので、紹介しておく。

新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書
諏訪中央病院・玉井道裕医師
http://www.suwachuo.jp/info/2020/04/post-117.php